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皆さんこんにちは。
あにとらです。
リマを訪れる観光客に人気なのは
海沿いのミラフローレスという
地域なのですが、
私が滞在していたのは
旧市街地。
旧市街地は歩いて行ける範囲に
見どころが集まっているのが
利点な代わりに、
1日で大方の観光を
終えてしまいます。
がしかし、
私がリマで
1番行ってみたかったのは
闘牛場!!
スペインの文化の影響を
強く受けているペルーでは
闘牛の文化もあるようなのです。
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特にリマにある
アチョ闘牛場
(Plaza de toros de Acho)
というところは
250年の歴史を持つ
アメリカ大陸最古の闘牛場。
(世界でも2番目に古い)
規模も世界で3番目という
立派な施設で、
博物館もあるらしいとのこと。
闘牛に関して、
動物愛護の観点からは
もちろんNO!!と
唱える人が多いところ。
ただ、私は
闘牛に関して
何も知らない。
ここは、一度行って、
闘牛の文化に触れてみてから
考えよう、
ということで、
リマにある闘牛場を
訪れることにしました。
もちろん、
闘牛は特別なイベントなので
競技自体は
10〜11月頃しか
やっていないようですが、
博物館なら開いているかも?
ということで行ってみました。
先にネタバレしますが、
博物館も、もちろん闘牛場も
開いていませんでした。
また、ここで、
リマの治安の悪さを
実感することに・・・
行かれる方は
行く前に必ず、必ず、
読んでください。
↓↓リマのこれまでの話はこちら。
宿のかわいいにゃんこに挨拶して
テクテクスタート。
(無視されてますけどね。)
今日は宿から少し歩いて、
橋を渡ってすぐの
アチョ闘牛場に向かいます。
↓↓場所はここ。
橋を渡った所は治安が良くない
と聞いていたので
誰かと一緒に行こう・・・
と思い、
宿で同室の人に声をかけようと
画策していました。
がしかし、
ずっと寝てるおじちゃんは
今日もずっと寝てるし、
(言葉が通じない以前に、そもそも、声をかけていいものかも分からない・・・笑)
もうひとりの人は
今日チェックアウトらしい。
(というか、英語が一切しゃべれなくて、チェックアウトということ以外、何も分からなかった・・・)
そして、
あともうひとりの人は
絶対変わり者だから
逆に怖い。(笑)
ということで、
ひとりで行くより
他ない状況に・・・(泣)
まあでも、
橋を渡って目の前だし。
リマは道ばたに
警察がたくさんいるし、
ネットにも博物館は
普通に載ってるし、
大丈夫だろう!!
ということで、
やって来ました。
アチョ闘牛場。
閉まってますね。
はい。
やっぱりね。
どうせ私は
こういうことだらけですよ。
日本語で出てくるサイトだと、
普通に開いてるっぽく
書かれていましたが、
博物館前にいた係の人に聞くと
「いやいや、10月しかやってないし、ここは一般観光客向けじゃないよ。」
と、言われてしまいました。
しゃーなし・・・
と、トボトボ帰路につきます。
リマは野良犬も多いのですが、
飼われている風のわんこも
たくさんいます。
半分はフリー散歩状態。
のんびりと
犬の散歩をしている人も多いし、
警察も立っているし、
そんなに治安悪いのかな、ここ?
と思って歩いていると、
ついさっき闘牛場で話をした
唯一、英語がちょっとしゃべれる
職員さんが
走って追いかけて来ました。
彼の名前はリチャ。
「ここは治安が悪いから、安全な所まで送って行ってあげる。」
とのこと。
なんていい人!!
ていうか、仕事はいいのか??
と思いつつ、
一緒に橋の向こうに戻ることに。
「この博物館をどこで知ったの?ここは本当に治安が悪いし、観光客が来るべき場所じゃないよ。」
「ネットに普通に載っていたよ。ちょっと危ないとは聞いていたけど、そんなになの?」
「うん、リマはどこも危ないけど、特にこの地域はね。
でも、僕とか、地元の人と歩いていたら大丈夫だからもう安心していいよ。」
なんていい人!!
リチャと話しながら、
このときは
のほほんとしていた私。
がしかし、
後からリチャに聞いた話で
ぞっとしました・・・
なんと、
私が闘牛場を離れる時、
後ろから
怪しい男の人が2人、
近づいていたらしい!!
リチャ曰く、
「多分、君のカメラか何かを強盗するつもりだったと思う。
だから、慌てて君を追いかけたんだ。
そしたら、奴ら、方向を変えてどこかに行ったよ。」
とのこと・・・
こっわ!!!
ていうか、
目の前に警察いたけど!?
「警察いても強盗とかあり得るの!?」
「彼ら(警察)は若いし、意味ないよ。
日本では警察って尊敬されてるの?
僕らの国ではされてないよ。」
まじですかい・・・
リチャは確かにたくましくて、
そこいらの強盗なら
へし折ってしまえそうだけど、
目の前に警察がいて
意味ないって・・・
そんな頼りがいのあるリチャ。
同い年。
リマの公務員?らしく
市内の博物館の管理を
しているのだそうな。
でもって、
安全(というかマシ)な場所の
オススメの博物館まで
連れて行ってくれたのですが、
なんと休館日!!
私以上に残念そうなリチャ・・・
「闘牛場の博物館見たい?
僕の職場だし、ちょっとだけ特別に見せてあげるよ。」
と言ってくれました。
職権乱用というやつですかね。
ということで、
また来た道を戻ります。
交差点の真ん中では
赤信号の時に人形を持って、
大道芸をしている人がいました。
青信号になる直前に
停車中の車から
チップを集める方式。
この大道芸のお兄さんに対して
通りがかった若者が
馬鹿にするような態度を
取っていましたが、
お兄さんは
気にする様子は無し。
何より、
しょーもない若者は
どこにでもいるんだな、
という感想・・・
戻って来ました、
闘牛場博物館。
館内の撮影は不可でしたので、
文字でご了承ください。
まず、中に入ると
すぐに目に飛び込んでくるのは
何頭ものブル(牛)の
頭部の剥製。
特に優秀だったブルは
剥製として残されるのだそうな。
古い剥製は1820年!!
なんと200年前!!!
がしかし、
ホコリひとつ被っておらず、
色あせてもなく、
大事に保管されていました。
「勇猛果敢なブルたちのことを、僕らは尊敬しているんだ。」
とリチャは語っていました。
ここで闘牛に関して
教えてもらった事を少し紹介します。
登場する役割は主に3つ
・バンデリジェーロ
競技の前半に登場して、小さな銛を打つ人。
助手。
マタドールが牛の性格を判断する手助けになる。
・ピカドール
防具をつけた馬に乗って槍を打つ。
馬が死ぬこともあるらしい・・・
・マタドール
正闘牛士。
競技の後半に出てきて
牛に最後のとどめとして剣を指す人。
闘牛において一番の見せ場。
マタドールになるための訓練は
10才から始め、
最初はツノの生えていない
子牛から、
マタドールの成長に合わせて
牛も
大きくなっていくのだそうな。
闘牛の動画を
見せてもらったのですが、
若く、ペルーで人気の闘牛士は
なんと21才でした。
もちろん、
マタドールが
死ぬこともある競技。
それをこの若さにして・・・
若いからこそ
勇敢なのかもしれませんが・・・
リチャが次々に
闘牛の動画を見せてくれます。
事故の起きた闘牛の動画では、
牛の鋭いツノに
激しく突き上げられる様子が
写っていました・・・
観客たちの悲鳴。
バンデリジェーロたちが
たくさん出て来て
牛の気を引く間に、
負傷したマタドールが
場外へ運び出されます。
(その動画のマタドールは、一命は取り留めたものの、半身不随になっているとのこと。)
逆に、勇敢な牛は
生き残ることもあるのだそうな。
両脇に審査員がいて、
”この牛は極めて勇敢で素晴らしい”
と判断されたら、
安全な場所で
二度と競技に出ることもなく
一生を終えるとのこと。
全体の2%ほどと
かなり珍しいことだそうですが、
牛が生き残った闘牛の動画も
見せてくれました。
バンデリジェーロ、
ピカドールに何本も銛を刺され
背中から血を流しつつも、
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マタドールの
赤いムレータ(布)に
力強く立ち向かっていました。
(中盤まで使われるのはピンクの布、最後にマタドールが持つのがムレータという赤い布です。)
マタドールが出てくる段階で
既にヘトヘトになっている
牛が多い中、
確かに力強さが違うな、
という感じ。
審査員からのサインが出ると
牛はそのまま柵の向こうへ
戻っていきました。
その後ろ姿を
マタドールも観客も
拍手で見送ります。
「僕らは、本当に牛を尊敬しているんだよ。」
とリチャが
何度も言っていたことからも、
”人と牛が対等に戦う”
”どちらも死ぬことがあり、どちらも生き残ることがある”
という視点で見ているのだろうな、
と感じました。
闘牛に携わる獣医師がいて、
牛のケアもするのだ
とリチャは言っていました。
世界の獣医師の仕事も
幅が広いなあ・・・
”光と影”
という形容詞が付く
闘牛の世界。
博物館には
キラキラなマタドールや
ピカドールの衣装や
銛の展示もありました。
どれも実際に使われてから
寄贈されたものらしく、
血が付いていたりします。
そう、
牛の血が衣装に付くくらいに
接近するんですね。
人間なんて簡単に
串刺しにできてしまいそうな
おそろしく立派なツノを
目の前にして・・・
他にも
闘牛に心酔していたといわれる
ピカソの絵(本物!!)も
展示されていました。
闘牛の話をするとき、
リチャはとても熱がこもります。
最初は
「ちょっとだけね。」
と言っていたのに、
あれも、これも、と
色々な物を見せてくれました。
ムレータはとても重くて
私は
片手で持つこともできないし、
衣装も
プロテクターと飾りで
ずっしり・・・
基本は
男性マタドールだらけですが、
女性もいるというから驚き。
根強い人気があるんだな、
と感じました。
闘牛場自体も
特別に見せてくれました。
闘牛のためだけに造られた建物。
階段を登って
競技場の中を上から見下ろすと、
異様な雰囲気が感じられました。
血なまぐさいというか、
恐ろしいというか・・・
闘牛の動画を
たくさん見た後なので
余計に
そう感じてしまうのかも・・・
野球場のような
円形スタジアムの造りなのですが
血や死を感じる場所だからか、
居心地の良さや
球場に立ったときのような
ワクワク感は一切なし。
ただただ、圧倒され、
身震いしました。
外はOKとのことですが、
内部の写真をここに載せると
リチャの仕事が無くなる可能性があるので、
写真を見たい方は日本縦断中に
私を見かけたら声をかけてください。
そんなわけで、
闘牛場見学と同時に、
現地民の声も
聞くこともできました。
その結果、
私が闘牛に関して思ったこと。
”私は闘牛をおもしろいとは思えないし、自分では見ないな。”
ということ。
各国の文化は
その国に住む人が形作り、
変えていくものであって、
よそ者の私が
どうこう言えるわけでは
ありません。
実際、
勇敢なマタドールの動きや衣装、
力強い牛に対して
”美しい”とすら感じました。
なので声高に
動物愛護論を語る
なんてことはしません。
ただ、
銛を刺され、
背中から血を流し、
徐々に弱っていく牛。
血が流れる度に興奮する観客。
それらを見て楽しいとは
到底思えなかったのです。
私は基本的に、
相撲以外の格闘技すら見ません。
相撲はすごくノーブルで
かっこいい競技だと
思うのですが、
人が人を殴るときの
目つきとかが怖くて
殴り合い系の競技は
ニガテなんです。
獣医師として働いていたときは
診察中も手術中も、
毎日のように血を見るし、
血自体がニガテなわけでは
ないのですが。
どうしても、
暴力の絡んだ血を見るのは
嫌なんです・・・
人が強くあろうとするのは
当然のことだし、
それをかっこいいと思うのも
当然だとは思うのですが、
人間は
協力とか、話し合いとか、
知識とか、研究とか、
尊重とか、妥協とか、
戦い以外に生き残る手段を
たくさん持っているので、
人間に暴力は必要ない
と思うんです。
そんなわけで、
闘牛に関しても
否定はしないけど、
私にとって必要なことではない、
と結論付けました。
また、
闘牛を問題視して
反対する人たちに関しても、
それぞれの国の文化は
尊重すべきですが、
その活動自体は
人間が優しくあるために
必要なことだと思いました。
もし私が
スペインや
ペルーに住んでいたら、
反対する立場になっただろうな、
と思います。
最初に出てくる
バンデリジェーロ
(小さな銛を打つ人)の
存在意義を
議論する声があるそうです。
確かに、
痛い思いをさせながら
少しずつ弱らせるより、
マタドールと1対1で戦って、
1発でとどめを刺す方が
動物愛護の視点からは
マシなのでしょう・・・
(ここから少しリアルな話が出てくるので、気分が悪くなったら跳ばし読みしてください。)
日本で行なわれる
食肉牛のと殺方法は
脳にと殺銃を刺して
気絶させた後に
首を切って失血死させる、
という方法です。
豚の場合も
電気ショックで気絶後の
失血死が一般的。
できるだけ苦痛を与えないように
努力した結果がこの方法です。
(これはこれで、農場を出てと殺台の上に運ばれてくるまでは怖い思いをするのですが・・・豚さんが電気ショックをあびるときの断末魔は、とてもショッキングです・・・)
闘牛では最後に
”後頭部の急所”
と呼ばれる部分を
長い剣で刺し
すぐに牛が倒れるので、
おそらく脳幹から脊髄のあたりを
狙っているのだろうと思います。
(怖いのは、首の脊髄を断つだけだと、首から下の感覚はなくなり倒れることになりますが、
意識はあるので、牛が混乱や恐怖を感じるということ・・・
これでは動物愛護に則ったと殺とは言えません・・・)
戦うことを本能とした
闘牛の牛たち。
一瞬、
こんな考えもよぎりました。
動物福祉における5つの自由。
5つめ。
”正常な行動を表現する自由”
これが人と戦うことで
尊重されている
と言っていいのか・・・
戦う事を悪しとしているのは
人間の理屈であって、
牛の理屈ではないし。
でも、結局
人間が求める血を見る興行に
利用されているのは
変わらないし・・・
サラブレットが
日々適度に走らないと
ストレスが溜まるのと
同じと言えば
同じかもしれないけれど。
う〜〜〜ん・・・
こういった問題は
答えがないので
難しいですね・・・
またひとつ、
自分の中で考え続けないと
いけないことが増えました。
もやもやグルグル考えながら、
闘牛場のすぐ近くにある
公園にやってきました。
リチャが午前中で仕事上がり
ということで
リマを案内してくれるとのこと。
治安が悪いとは思えないほど
キレイに整えられた公園。
こういった建物、
街の造りも
スペイン領の影響です。
ここで思い切って
リチャに聞いてみました。
「私は侵略と植民地というのを良く思っていない。
でも、あなたたちは独立後もスペイン語を話しているし・・・
ペルー人にとって、そのへんはどうなの?」
するとリチャは、
「僕らも当然、良くは思っていない。
でもそれが歴史だから。
田舎に住む民族は違う言葉をしゃべったりするよ。
僕らはもう言葉は変えられないけどね・・・」
と言っていました。
独立記念塔に
連れて行ってくれたときも、
「日本の独立記念日はいつ?」
と聞かれ、
「日本は植民地化してきた側で、されたことがないから、独立記念日はないよ。」
と答えると驚いていました。
(「言ってしまえば、アメリカの植民地みたいなものかもしれないけどね・・・」と言うと、更に驚いていましたが・・・)
デリケートな質問にも
誠実に答えてくれた
リチャに感謝です。
次回は
リチャと一緒に、
治安の悪いスポットのど真ん中にある
サン・クリストバルの丘や、
海沿いの
ミラフローレスなどを回った時の話。
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