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こんにちは。子供と犬猫を見かけるとニヤニヤしてしまうあにとらです。(自分でも思う。ちょっとキモい。)
カンボジアの子供たちと遊ぶ。シリーズ第3回は”ゴミ山での出張授業”の様子について。
ゴミ山とは、街中のゴミを集めた集積所のこと。首都プノンペンでは中心地の南西に位置する”スタンミエンチャイ(Steung Meanchey)”という地域に、そのゴミ山があります。
(アンコールワットのあるシェムリアップ郊外など大きな都市には”ゴミ山”と呼ばれるところがあります。シェムリアップでは本来廃棄される”バナナの葉”を再生させたハガキを買ったことを、以前のブログでも紹介しましたが、それも貧困地域の職業機会を作るために日本人団体が行っている活動のひとつでした。)
このゴミ山で、まだ使えそうな物を拾ってお金に換えることで生計を立てるわけですが、(日本でも空き缶を集めて換金して生活している人々がいますが、そんなイメージでしょうか。)
このゴミ山では身体に害のあるガスが発生してしまったり、なんでもかんでも集めるので、ケガをしてしまったり。そういったことが原因で、ゴミ山で命を落とす人も少なからずいるらしいんです。
その場所が現在の”愛センター”の近くにあります。(そもそも、愛センターさん自体が当初、ゴミ山での教育機会を設けるために設立されている。)
実のところ、スタンミエンチャイのゴミ山は現在は移転していて、新しい集積所は関係者以外立ち入り禁止となっているので、”ゴミ山”の中での仕事はほぼ無くなってきている様子。
しかし、現在も街中でゴミを集めたり、残ったゴミ山でゴミを探して生活している人たちが暮らしています。
前々回のブログでも書いたようにカンボジアの学校は2部制なので、午前か午後のみの授業。
これだと、勉強が全く足りないということになりますが、このゴミ山地域で暮らしている子供たちは、無料の公立の学校には通えても有料の予備スクールに通うことは困難。
そういうわけで、愛センターさんは週に1回、ここで出張授業をしているというわけです。
日曜の朝7:30。愛センターでスタッフさんと待ち合わせをして、ゴミ山地域へと向かいます。バイクの後ろに乗ってガタガタな道を行くこと10分。
ゴミ山地域に到着しました。
あれ?意外とキレイじゃない?
と感じられるかもしれません。
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そうなんです。
道も舗装されていて、生活区域はゴミのにおいもあまりなく、そんなにひどい場所には見えません。この場所はわりと有名だったらしく、観光地(?)のような感じで、各国から人が集まっていたとのこと。(ある意味私もそれに近い。)
その中で生まれた支援団体により年々、環境が整備され、この道路の舗装もこの数年でなされたらしいです。
その住宅のひとつを間借りして、教室が開かれています。
プノンペン大学に通う、愛センター出身の青年がこの部屋に住んでいて、週に1回、教室を開いているというわけです。彼は、日本語がペラペラです。
”カンボジアで日本語教えて意味あるの?”と、思われる方もいるかもしれません。ネット上でも、カンボジアへのスタディーツアーやボランティアツアーなどを悪く言うような話も見かけます。
私も、本当に意味があるのだろうか・・・と、ボランティアに行くにあたっての不安がありました。
で、賛否両論を現地に行かずして述べるのはタチに合わないので、実際に現地に行ってみる、というのが私のやり方。
色々と話を聞いたり経験した結果、”日本語が話せる”というだけでかなり選択肢が拡がるということが分かりました。
高校卒業資格を取って、N-3という日本語検定に合格すれば、大学に入れるし、日系企業にも勤めることができます。それだけで、カンボジアの平均年収の2〜3倍の収入が見込めるわけなので、生活の質は一気に変わります。
公立学校で十分な勉強ができるようになる時代がいつやってくるかは分からないわけですから、収入が良いほど自分が大人になった時に自分の子供たちにも教育機会を与えられる。
そうすれば、自分たちにもカンボジアの経済にも好循環が生まれる。
それに、英語もできれば完璧です。
愛センターさんではクメール語、英語、日本語の3カ国語を無料で教えているので、そういう意味では英語圏のみのインターナショナルスクールにも引けをとらないメリットがあると思います。
もちろん、あとは本人たちの努力次第ですが・・・
さて、話がそれちゃいましたが・・・教室に入っていきましょう。
部屋は2つ。6畳ほどのガレージのようなところと、奥に3畳ほどの生活スペースがあります。それぞれ、大きい子と小さい子に分かれて読み書きの練習や、英語の勉強をします。
がしかし、授業開始の8:30になってもなかなか子供たちは集まりません。「まだ寝ているんだと思う。」と、先生は言います。
カンボジア人と日本人では”時間を守る”という感覚がかなり違うようですが、愛センターに通う子供たちはそのへんがしっかり教育されているので、あまり実感が無かったです。
が、これが普通なのかな・・・?
9時に近くなった頃にようやく生徒が集まってきました。授業開始です。
大きい子のクラスは英語の授業でした。キレイな発音でスラスラと発表しています。
最年少の子にはお兄ちゃんが付いて、書き方を教えていました。
当然、何を言っているかまだ分からないと思います。
しかし、大人たちの世代は、歴史的に自分たちが”教育”を十分受けられなかったがために、教育に対しての理解がまだまだ未熟です。そういった意味でもこの習慣が大事なんだろう、と思います。
目が合うと毎回ニッコリしてくれます。癒される・・・
小さい子のクラスでは、クメール語と英語の読み書きを勉強していました。日本人ボランティアの方も一緒に教えます。
日本語の勉強をすることもあるようです。
勉強の得意な子が率先して、まだ読み書きができない子たちに教えます。
皆、真剣。
ノートを見せてもらいました。算数のページ。6桁の足し算。結構間違ってるみたいだけど・・・
授業が終わるときは、手を合わせて終業の挨拶をします。これは愛センターも同じ。
英語が上手な女の子が、名前を聞いてくれて書いてくれました。(通っているボランティアさんによると、将来有望な優秀な子らしいです。)お守りとして大事に持ち歩いています。
休み時間は、教室に置いてあるバドミントンやサッカーボールで遊びました。
授業は午前中のみ。終業後は食べ物とジュースが配られます。パンと練乳が皆のお気に入り。あとは、ビタミン不足を補うためにフルーツが配られます。あっという間に無くなってしまいます。
甘いジャックフルーツ。皆大好き。
欲張り過ぎ・・・
お昼ごはんの後、皆それぞれ家へ帰って行きました。
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長年、愛センターとゴミ山に通っている、日本人ボランティアの”ミキさん”という方に、近くを案内してもらいました。
ミキさんは、年の半分くらいをカンボジアで生活していて、年齢問わず、日本語を習いたい、N-3などの検定を受けたいという人たちに、個別で教えるなどのボランティア活動を長年続けているそうです。
狭い路地を入って行きます。
入ってみると、ところ狭しと家が並んでいます。
トタンや木の板をツギハギした家々。
カンボジアの田舎の貧困地域から仕事を求めてプノンペンに人が集まり、まず先にゴミ山での仕事をする。
お金ができたらここを出たり、逆に田舎に戻って行ったりするけど、また他の田舎の貧困地域から人が出てくる。という流れがあるそうです。
日のあたる場所はあまりなく、こぞって洗濯物が並んでいます。
家の中はタイルばりされていて、テレビなどもあります。冷蔵庫がある家もありました。(冷蔵しているかはわかりませんが・・・)
電気代の高いカンボジアでは、テレビや冷蔵庫の無い家庭は多いらしいので、私には、けっこう良い生活をしているように見えました。このあたりも、支援団体が入って整備しているそうです。
住民の皆は笑顔で迎えてくれます。
”外国人が生活を良くしてくれる”というイメージがあるらしく、カメラやスマホを持ち歩いていても問題がないようで、逆に住民に守ってもらえる印象でした。ミキさんはここに住むお父さんたちに、ひげ剃りを配っていました。
駄菓子屋さんの前に子供たちが集まっています。
「ちょっと前まで、駄菓子屋ができるなんて考えられない環境だった。」
「ここの生活は年々良くなっている。」
と、ミキさんは言っていました。
余ったごはんは乾燥させて豚の飼料として売るそうです。この地域では愛センターの近くでもいろいろなところで、この光景を目にしました。
商売用のリアカー。これを引いて街中を歩き回り、ゴミを集めて有用なものと、そうでないものとに分けます。このリアカーを引いている人はプノンペンの街中でも見かけます。
ちゃんとした住居が建てられているところもあります。雨期には浸水するので高床式。
道ばたで見かけた男の子。
見ている先には、女の子。木の実を採ろうとしているみたい。足元はゴミと草に埋もれた沼地。
遊び場は旧ゴミ山。奥に見える草の生えたところも以前はゴミ山だったそうです。
ゴミは湿地に埋められているので、グッと踏むと水が滲み出てきます。雨期はもっとひどいのでしょう・・・
もっとカンボジアの子供たちの写真が見たい方はこちらへ。
※意外と気付かれてないみたいなのでお知らせ※
ページ上部の白い3本線を押すと、メニュー画面が出てきます。そこから、犬、猫、いろんな動物、人々と子供、などの特設ページに跳べます。ただのアマチュア写真集ですが、”その辺で見かけた”ありのままの姿を撮っているので、興味があれば見てみてください♪
子供用カバンに、壊れたプリンター、 ヘルメット。色々な物が捨ててあります。さすがにゴミの中はなかなかの臭いがします・・・
プラスチックはこの住宅地の中にあるリサイクル工場で、プノンペン中でよく見かける黒いゴミ袋に再生されるそうです。
ゴミ山地域に訪れてみて、率直な感想は”ゴミを集めるというのも仕事である”ということでした。あくまで私の一個人の意見ですが・・・
ゴミを集めるだけなら子供でもできるし、もっと貧困な環境にいた人々からすれば、そこから生活を持ち上げて行くひとつのスタート方法なのだろう・・・
それは、悪いことでもないし、不幸なことでもない。
単に、私たち先進国の住民が自分たちの価値観で”かわいそう”という対象に当てはめているだけで。
実際に、ここに住んでいる子供たち、大人たちに接してみて、不幸どころか、
”仕事をしてちゃんと生きている。”
”これからどんどん生活を良くしていくんだ。”
という気概を感じました。
人間が生きている以上、ゴミは出る。
ゴミ収集業やリサイクル業、ゴミを収入源にする仕事は、日本だってどこの国だってあります。
それが、より安全で、子供たちが勉強と両立しながら、将来より良い生活できるよう、整備していくことが重要なのかな、と。
このゴミ山に行った後に愛センターの2階にある本棚である本を見つけ、読んでみました。
佐々木健二さんという写真家さんが、この”スタンミエンチャイのゴミ山”に通って撮った写真集です。見開きにサインがあったので、ご本人から直接寄贈されたものかもしれません。
この本には、かつてのゴミ山の様子と、そこで暮らす家族に密着取材した記録が載っていました。
ゴミ山地域に行った後にこれを読んだので、
「そうだったのか・・・」
と、後から気付かされる現実も多かったです。
中にはショッキングな内容もありましたが、”現実”を教えてもらいました。
それは、私の感じた現在のゴミ山地域の生活とは少し印象が違うものでしたが、人々の雰囲気や気概は変わらない、と思いました。
つい最近まであった現実です。
今どんどん良くなっているとはいえ、そこら中、腐敗臭のする水たまりで衛生環境は良くないし、まだまだ子供の教育機会も、大人たちの職業機会も不十分。
更に良くして行くためにも、今後とも支援が必要なのだろうと思いました。
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興味がある方は
是非、読んでみてください。
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