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皆さんこんにちは。
世界一周中のあにとらです。
前回と前々回の2回にわたって
サンフランシスコで
“NO KILL(殺処分ゼロ)”
を目指す動物保護施設
サンフランシスコSPCA
(以下 SF SPCA)
の様子をお伝えしました。
とっさには「スゴイ」という
簡単な言葉しか出てこないような
圧巻の施設。
でも本当に
”NO KILL”なのか。
どうやったら
”NO KILL”でいられるのか。
数字の裏にある
実際の動物と人の動きについて
追って見てみたい。
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ということで、
SF SPCAの最寄りにある
市の動物管理施設、
San Francisco Ainmal Are & Control
(以下 ACC)
に立ち寄りました。
今日はそのときの話。
↓↓まだ前回までの記事を読んでない方は、今回の記事を読む前に一読いただけると、より分かりやすいです。
※写真は許可を得て、撮影・掲載しているため、写真の転載はご遠慮ください。(当サイト自体のリンク転載は歓迎致します!)
さて。
SF SPCAのMission Adoption Centerを
後にした私。
すぐお隣のブロックにある
ACCの建物にやってきました。
↓↓場所はここ。
本当に
すぐ目の前に位置しています。
SF ACC公式HPはこちら。
SF SPCAに比べると
なんだかちょっと入り辛い雰囲気・・・
重いドアを開けると
すぐに階段があり、
左を見ると
パソコンに向かう事務員さんたちが
何人か座っている
カウンターがありました。
日本のお役所で見る光景と
同じ感じです。
そう、
SF SPCAは寄付をもとに活動する
民間の団体ですが、
ACCは
政府からの予算で運営される
市の”動物保護管理課”なのです。
(もちろん、寄付金も募っていますが。)
事前にメールを
送ってはいたのですが、
そこは海外あるある。
返事がないまま。
ということで、
まずは見学、撮影、
ネット上での掲載許可を
もらおうと、
カウンターに座っている
かっぷくの良い女性に
声をかけました。
すると女性はすぐに
どこかに電話をかけてくれて、
入ってはいけない部屋と、
部屋の外からなら
撮影が可能な場所などを教えてくれ、
個人サイトであれば掲載OKとの
許可をもらうことができました。
(実はSF SPCAにもメールを送っていたのですが、こちらも返事はなし。
ということで当日に撮影と掲載の許可をもらいました。
ドイツもそうだったけど、仕事・個人関わらずアポメール送っても返信率って低いんですよね・・・
イギリスはマシなんですけど・・・
国民性かな・・・)
日本から来た獣医師として
アメリカの動物福祉に関して
個人的に興味があって来た。
SPCAも見学して来たばかりだ。
という話をすると、
「あちらとは随分と違う世界よ。
何かの参考になればいいけれど。」
と優しく声をかけてくれました。
右側のドアから入っていきます。
建物の中は全体的に暗め。
比べやすいように
カメラの明るさの設定は
SPCAの時と同じにしてあります。
アイボリー色の壁に緑の扉。
狭い通路。
同じ動物保護施設とはいえ、
SPCAとは全く違う雰囲気。
犬舎の中はこんな感じ。
檻タイプの部屋が並んでいて、
入れない部屋も結構あります。
(SF SPCAの場合はAdoption Centerの名前の通り、譲渡対象の犬猫ばかりですが、ACCは様々な理由で譲渡対象でない動物も多いんです。)
大型犬さんが横になると
いっぱいいっぱいになってしまう
くらいのサイズ。
見た目は狭い檻ですが、
外から見る限りは掃除が為され、
清潔に保たれているようです。
狭い通路の両側には
たくさんの部屋が並び、
動物種別、譲渡対象、
迷って保護された犬猫、
重病の動物、
という形で分かれています。
こちらは仔犬、親子の部屋。
寝床、ごはん所、トイレが
分けられるくらいの広さ。
迷い猫。
ケガ・病気もちの動物。
飼養許可のいる犬。
ウサギやモルモットなどの
エキゾチックアニマル。
SF SPCAは犬猫専門のため
エキゾは引き取っていません。
そのため、
飼い主を失ったエキゾさんたちは
必然的に
ACCに入ることになります。
結構いるんですね・・・
ドイツのベルリンにある
ティアハイム(動物保護施設)を
訪れたときなんかは、
ウサギ、モルモット、
デグーはもちろん、
大型・小型の爬虫類や
お猿までいたんです。
あれは驚いたな・・・
↓↓そのころの動物旅行記はこちら。
http://ani-tra.jugem.jp/?page=5&cid=2
仔猫舎はこんな感じ。
動物病院の入院室みたいで、
一部屋は狭め。
光もあまり入りません。
成猫舎がこちら。
明るい雰囲気のスタッフさんが
声をかけてくれて、
中も見させてもらうことが
できました。
(実際に動物に触ったりするのはビジター登録をしてカードをもらう必要があるそうです。)
すれ違うのが
ギリギリなくらいの通路。
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寝床2カ所。
詰め研ぎ。
ごはんと水。
トイレ。
どれも1つずつ。
(1つあればいいじゃないか、というわけではなく、
にゃんこの場合はトイレ砂のタイプや食べ物、
お皿の種類にデリケートな子も多く、
1匹あたりに何種類か用意されていた方が、
病気のリスクを下げやすいのです。)
少なくとも、
最低限必要なものは
しっかり準備されていて、
掃除も行き届いています。
横が狭い分、
縦の動きがもっとできると
良いかもなあ・・・
各々、好きな場所で
くつろいでいます。
名前や性格などの情報も
掲示されています。
(さすがにタブレットではないけれど・・・)
療法食が必要なにゃんこは
目に留まる位置に
でかでかと書かれています。
ドアの前を通る私に
一所懸命に吠えているワンコ。
不安だろうな、
外に出たいだろうな、
自由に遊びたいだろうな、
飼い主さんを探しているのかな・・・
でも、こうやって
元気に吠えているワンコに
明日があるのか、
それは分かりません。
SF SPCAとの大きな違いは、
ACCでは
殺処分が多分にあり得る
ということ。
例を挙げれば、
2015-2016年の1年間での
ACCにおける安楽死数は
犬で298頭
猫で209頭
その他の動物で900頭。
合計1407頭
にのぼります。
この1年間に
施設に入って来た動物が
計7494頭なので、
その約18.8%の動物が
殺処分された、
ということになります。
およそ5頭に1頭。
この施設では
命を失う可能性があるのです。
(参考:ACC公式HP http://www.sfanimalcare.org/about-us/shelter-statistics/)
とはいえ、
私が先日紹介した本で読んだとき(98年)のデータによると
入所数14590頭のうち、
5021頭(約34%)が
殺処分となっていたので、
確実に
良くなって来ているようです。
そもそもACCができたのは
1989年。
それまでSF SPCAが担っていた
市の動物管理業務を
引き継ぐため。
今でこそSF SPCAは
“NO KILL(殺処分ゼロ)”
を掲げ、
成功をおさめていますが、
実は、SF SPCAの目の前にある
このACCにおいて、
サンフランシスコで
行き場を失った動物たちの
命は絶たれているのです。
ACCとSF SPCAの間には
特別な取り決めがあり、
ACCからSF SPCAへ、
積極的に
犬猫は譲渡されています。
(イベントの共有もしていて、SF SPCAで行なわれるイベントや、無料の不妊手術サービスなどの広告をACCでも見るれたりする。)
がしかし、
SF SPCAが
ACCから引き取る動物は、
先日もお話したとおり
”養子縁組に適した”
犬猫であることが条件。
扱いやすく
健康(もしくは治療可能)
であること。
この基準に関して
SF SPCAとACCの間で
食い違いがあることも。
(人に対する態度についてACCは”問題ない、もしくはしつけ次第で改善する”と判断しても、
SF SPCAは”問題あり”として引き取らない。など。)
SF SPCAは
“NO KILL”の施設でないと
いけません。
これは
高い譲渡率を成功するために、
人々の関心をあつめるために、
必要な
”広告のキャッチフレーズ”
でもあるのです。
でも、
無責任な飼い主、
虐待を受ける動物、
飼い主の病気や死。
減りこそすれ、
無くならない現実があります。
その暗がりの部分を
まさに”Control”しているのが
ACCというわけです。
どちらの施設で働いている人も、
ボランティアさんたちも、
里親希望で訪れる人も、
願っている事は
“NO KILL”でしょう。
それでも、まだまだ
先は遠いのが現実なのです。
実際に見てみて分かった
動物を取り巻く環境。
捨てられ、
行き場を失い、
死が待っている。
それはアメリカも日本も、
同じなのかもしれません。
サンフランシスコの現実は
掘り下げてみると、
広告で見るほど
きらびやかなものでは無い。
でも、食い止めるための
”効果的な”活動と、
国民の感心と支援、
国や行政の取り決めと
出資に関しては
アメリカから学べることは
たくさんあるように思います。
動物に感謝し、
優しくできない人間は、
他の人、子供、命に対して
本当の優しさは向けられない。
私はそう考えています。
動物に特別な興味がなくとも、
私たちが今、生きている
ということは、
必ず、
他の命が関わっている
ということ。
それは同じ地球の生き物として
意識すべきことだと思います。
サンフランシスコに来て
中学生の頃からの夢を
ひとつ叶えることができ、
この経験がこれからにつながる
と確信しました。
本当に行ってみて
良かった場所です。
ただし、
私ひとりで満足していても
フィードバックできなければ
意味は無い。
今、
この世界一周の間にできる事は
ブログとして
記事におこす事だけですが、
この記事が皆さんの心の中に
何かを残してくれるものになれば
幸いです。
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